pingコマンド入門
ネットワーク接続を確認する基本コマンド
pingはネットワーク疎通確認の基本ツールです。ICMPパケットを送信し、応答時間やパケットロスからネットワークの状態を診断します。
こんな人向けの記事です
- ネットワーク接続トラブルの原因を切り分けたい人
- pingコマンドの基本的な使い方を知りたい初心者
- 応答時間やパケットロスの読み方を理解したい人
Step 1pingとは?基本の仕組み
pingは「Packet Internet Groper」の略で、ICMP(Internet Control Message Protocol)エコーリクエストを送信し、応答を受け取ることでネットワーク接続を確認するコマンドです。「あなたはそこにいますか?」と問いかけ、「はい、ここにいます」という返事を待つイメージです。
ポイント: pingはネットワーク管理者だけでなく、一般ユーザーにも役立つツールです。インターネット接続に問題がある場合の最初の診断ステップとして活用できます。
Step 2基本的な使い方と結果の読み方
ターミナル(Mac/Linux)またはコマンドプロンプト(Windows)を開き、以下の形式で実行します。
ping www.google.com
実行結果の例:
PING www.google.com (142.251.42.228): 56 data bytes
64 bytes from 142.251.42.228: icmp_seq=0 ttl=116 time=9.440 ms
64 bytes from 142.251.42.228: icmp_seq=1 ttl=116 time=10.830 ms
64 bytes from 142.251.42.228: icmp_seq=2 ttl=116 time=9.662 ms
--- www.google.com ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 packets received, 0.0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 9.440/9.977/10.830/0.621 ms
結果の各項目の意味:
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 56 data bytes | 送信データサイズ(IPヘッダー20B + ICMPヘッダー8B を加えた実パケットは84B) |
| time=9.440 ms | 往復時間(RTT)。値が小さいほど高速 |
| ttl=116 | パケットの残存寿命。ルーターを1つ通過するごとに1減少 |
| 0.0% packet loss | パケットロス率。理想は0% |
| min/avg/max/stddev | RTTの最小/平均/最大/標準偏差 |
Step 3主なオプション一覧
| 機能 | Windows | Mac/Linux | 説明 |
|---|---|---|---|
| 連続実行 | -t | (デフォルト) | Ctrl+C で停止するまで継続 |
| パケット数指定 | -n [数] | -c [数] | 送信パケット数を指定 |
| タイムアウト | -w [ミリ秒] | -W [秒] | 応答の待ち時間を指定 |
| パケットサイズ | -l [サイズ] | -s [サイズ] | 送信データのサイズを指定 |
| IPv6 | -6 | -6 | IPv6でping実行 |
ポイント: Mac/Linuxではデフォルトで連続実行されます。停止するにはCtrl+Cを押してください。Windowsではデフォルトで4回のみ実行されます。
Step 4実践的な使用例
10回だけpingを実行する:
# Mac/Linux
ping -c 10 www.google.com
# Windows
ping -n 10 www.google.com
大きなパケットでMTU問題をテスト:
# Mac/Linux
ping -s 1472 www.google.com
# Windows
ping -l 1472 www.google.com
タイムアウトを短く設定:
# Mac/Linux
ping -W 0.5 www.google.com
# Windows
ping -w 500 www.google.com
Step 5トラブルシューティングの手順
ネットワーク接続に問題がある場合、以下の順番で段階的にpingを実行して問題箇所を切り分けます。
1. ループバックアドレス(自身のネットワークスタック確認):
ping 127.0.0.1
2. ローカルルーター(LAN内の接続確認):
ping 192.168.1.1
3. 外部DNSサーバー(インターネット接続確認):
ping 8.8.8.8
4. ドメイン名(DNS解決の確認):
ping www.google.com
ポイント: 手順3が成功して手順4が失敗する場合は、DNS設定に問題がある可能性があります。
Step 6pingが失敗する原因と対処法
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| ネットワーク接続の問題 | Wi-FiやLANケーブルの接続状態を確認 |
| ファイアウォール設定 | ICMPパケットがブロックされていないか確認 |
| DNSの問題 | ホスト名の代わりにIPアドレスで直接ping |
| サーバー側のICMP無効化 | セキュリティ上pingに応答しないサーバーも多い。サーバーダウンとは限らない |
注意: pingはネットワーク診断の第一歩ですが、全ての問題を特定できるわけではありません。より詳細な診断にはtracerouteやnslookupなど他のコマンドも併用しましょう。